無痛分娩について

【無痛分娩について】
無痛分娩は、出産時の痛みをとり、リラックスしてお産ができ、産後の 育児に向けて体力が温存できる利点があります。一方、分娩が長引いたり、鉗子分娩になる可能性や、麻酔の影響で、分娩後の頭痛などを起こす可能性もあります。
当院の無痛分娩は基本的に「硬膜外麻酔」を行います。（状況により「脊髄くも膜下麻酔」を行う場合があります。）「硬膜外麻酔」「脊髄くも膜下麻酔」は、腰（背中）から麻酔をして、分娩時の子宮や産道から伝わる痛みを軽くします。
≪当院で無痛分娩が可能な方≫
○妊娠37週以降の経産婦さん（経腟分娩を１回以上したことがある）
○分娩時のＢＭＩが３0　☆ＢＭＩ：体重（㎏）÷身長（ｍ）÷身長（ｍ）
　○妊娠中の著明な体重増加がない（おおむね12㎏未満）
○頭位（胎児の頭が産婦の骨盤側にある）　○胎児発育不全がない　○児頭骨盤不均衡がない
○その他、経腟分娩のリスクとなる、産科的異常や子宮卵巣の異常を認めない。
≪無痛分娩ができない方≫
◇本人が希望していない（麻酔の体位等協力ができない）
◇硬膜外麻酔ができない方：血液が固まりにくい、背骨に変形がある、神経の病気がある、
局所麻酔アレルギーがある、細菌感染の疑いがある場合　等
◇帝王切開予定の方： 骨盤位（さかご）、子宮手術の既往・帝王切開の既往、児頭骨盤不均衡　等
≪無痛分娩のながれ≫
□30週～34週妊婦健診の時、外来担当医または助産師外来で希望を伝える
（ご希望に添えないこともあります。）
□無痛分娩麻酔の説明（動画視聴）
□麻酔前検査（血液検査・心電図検査、検査費用：5,000円）
□36週の妊婦健診時、無痛分娩、分娩入院について「説明と同意」
□入院（計画分娩・無痛分娩予定の前日入院）
（もし、予定した日より早くに陣痛がきてしまった場合は、無痛分娩は行えません）
□無痛分娩当日、朝より陣痛誘発
陣痛の痛みが出てきて、痛み止めが必要となった段階で、硬膜外鎮痛を開始
分娩が終わったら麻酔も終了
注）無痛分娩中、食事はとれません。お水は飲むことができます。麻酔開始後はベッド（分娩台）上安静、定期的に内診や麻酔範囲の確認があります。トイレには行けませんので、導尿します。
≪無痛分娩費用≫
　90,000円（無痛分娩に使用する特殊な針や麻酔薬の料金が含まれます。）
他に、麻酔前検査費用、前日入院からの入院費や、分娩誘発など分娩にかかる費用は別途かかります。
無痛分娩進行中に緊急帝王切開や母体搬送になった場合でも無痛分娩の費用が発生します。
【無痛分娩に関する情報】無痛分娩について詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください
https://www.jsoap.com/general/painless
無痛分娩 Q&A | 一般社団法人 日本産科麻酔学会(jsoap.com)